東京大学の帰国生入試2027:第2種の出願資格・試験・日程
豪州の高校から東大の帰国生入試を考える場合、何を確認すればよいのでしょうか。2027年度の募集要項をもとに、出願条件から日本語での選考、文理別の試験までまとめました。
William
James Ruse卒(卒業当時オーストラリアトップ校)
· 一次資料に基づく制度解説
対象は2027年4月入学の「第2種」
ここで取り上げるのは、外国学校卒業学生特別選考のうち第2種(帰国生徒)です。出願時と入学時に日本国籍または日本の永住許可を有することが条件です。第1種(私費留学生)は別の資格・要件であり、海外に住んでいるかどうかだけでは、「留学生」「帰国生」の区分は決まりません。
出願資格:卒業時期と海外就学歴
基礎資格を初めて取得する期間は2025年4月1日〜2027年3月31日です。外国での正規の12年課程修了・修了見込み等、列挙された基礎資格のいずれかを満たす必要があります。外国所在のインターナショナルスクールには認定団体等の条件があり、文部科学大臣が高校相当と認定した在外教育施設の修了者は本方式の対象外とされています(pp.13–14)。
- 海外居住下で、外国の12年課程の最終学校に最終学年を含め継続2年以上在学して修了する経路。
- または、海外居住下で当該最終学校に、最終学年を含む直近連続6年間のうち通算5年以上在学して修了する経路。「これまで海外の学校に合計5年通った」という意味ではない点に注意が必要です。
- 休業等で書類上の年数が不足する場合は大学の実質的同等性審査があります。転校や教育制度の違いなど、判断が難しいケースは、この記事だけで出願できると決めず、大学に確認する必要があります。
要項では、出願資格が不明な場合の照会期限を2026年9月18日としています。この記事の確認時点では、すでに過ぎている期限です。翌年度にも同じ日付が使えるわけではないため、現在の状況は本人から入試事務室に相談してください。
英語試験:正確な受験期間と直送
第2種の指定受験期間は2024年11月1日〜2026年10月31日です(p.19)。要件欄の「出願開始日前2年以内」という一般表現だけから別の期間を計算せず、明記された日付を確認します。対象はTOEFL iBTまたはIELTS Academicで、TOEFL Home Editionも認められます。TOEFLはTest Date scoresを使用しMyBestは使わず、IELTS One Skill Retakeも使えません(p.14)。
スコアは試験実施機関から大学へ電子直送し、出願期日までに到着する必要があります。直送手配の証明等も必要で、要項では約1か月の余裕を勧めているので、出願直前まで待たずに手配したいところです。今回確認した第2種の要件には、一律の最低スコアは書かれていません。ただし、それは低い点でも競争力があるという意味ではありません。新TOEFL尺度の申告方法等は最新の出願案内も確認してください(pp.18–19)。
2027年度の日程(すべて日本時間)
| 手続・選考 | 日時 |
|---|---|
| オンライン志願票作成 | 2026年10月22日正午頃〜11月13日17:00(公式ページ) |
| 出願書類の郵送到着 | 2026年11月9〜13日。13日17:00必着 |
| 第1次選考結果の発送 | 2027年1月25日発送。到着日とは異なる |
| 小論文(全科類) | 2027年2月25日 9:30〜12:00 |
| 文科の外国語/理科の数学・理科 | 下の文理別試験表を参照 |
| 個人面接(全科類) | 2027年3月4日 |
| 最終合格者発表 | 2027年3月10日12:00頃 |
| 入学手続 | 2027年3月11〜15日必着 |
表は左右にスクロールできます。
オンラインで志願票を作っただけでは、まだ出願は完了していません。印刷した志願票などの郵送と、検定料の納入まで必要です。第1次結果が2月1日までに届かない場合は入試事務室への連絡が指定されています。選考会場は本郷キャンパス内で、詳細は第1次合格者に案内されます(pp.15–16、22–24)。
第2次選考:小論文・文科と理科の試験・面接
- 01
資格審査
- 02
第1次:書類
- 03
第2次:試験・面接
- 04
総合判定
小論文は150分で2問に答える形式です。第1問は日本語、第2問は出願時に届け出た指定外国語で答えます。指定語は英語、ドイツ語、フランス語、中国語、ロシア語、スペイン語、イタリア語、韓国朝鮮語、アラビア語です。個人面接は日本語で実施します(pp.21–22)。
| 区分 | 日時・時間 | 教科 |
|---|---|---|
| 文科各類 | 2月26日14:00〜16:00・120分 | 英語・ドイツ語・フランス語・中国語から出願時に1つ指定。英語には約30分のリスニングあり |
| 理科各類:数学 | 2月25日14:00〜16:30・150分 | 数学I・II・III・A、B(数列・統計的な推測)、C(ベクトル・平面上の曲線と複素数平面)。6問中4問選択 |
| 理科各類:理科 | 2月26日9:30〜12:00・150分 | 物理・化学・生物・地学(各基礎を含む)から出願時に2科目指定 |
表は左右にスクロールできます。
英語選択者には問題の一部を他の指定外国語に置き換える選択肢もあります。学力試験は一般選抜と同じ問題を用いますが、数学の選択解答などの相違があり、同じ問題を使うからといって、一般選抜と同じ合否基準になるわけでもありません。第1次の結果も踏まえた総合選考です(p.22)。
豪州高校からそろえる書類と併願の注意
- 日本語の志願理由書、原則3年分の高校成績、卒業/卒業見込証明、所定の推薦書等を準備します。原本・原本証明・翻訳の条件や一部例外は要項で確認します(pp.17–18)。
- 国家試験等の統一試験結果は「任意」の提出欄で、制度がある国では受験が望まれるとされています。HSC・VCE等の結果とATARの扱い・後日提出は、未公表なら大学に確認し、独自のATAR合格基準を作らないでください(pp.19–20)。
- 出願は6科類のうち1つ。東大一般選抜(前期)またはUTokyo College of Designへの出願との併願制限があります。出願資格なしと判定された場合の例外を含め、要項p.1を確認します。
公表統計:第2種の志願者と最終合格者
| 入学年度 | 志願者 | 最終合格者 | 合格者/志願者 |
|---|---|---|---|
| 2024 | 67 | 17 | 約25.4% |
| 2025 | 56 | 14 | 25.0% |
| 2026 | 72 | 17 | 約23.6% |
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これは第1種を混ぜない第2種全体の過去の比率です。科類別には大きな差があり、募集は各若干名です。志願者数を分母とするため、第1次通過者だけの合格率でも、個人の合格確率でもありません。入学した人数を表す数字でも、公表されていない合格最低点を示すものでもありません。
出典・確認資料
確認日:2026年10月27日。古い年度の資料はその旨を明記しています。